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短文散文とかうっかり萌えた別ジャンルとか管理人の電波とかをひっそりこっそり。

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2025/04/30 (Wed) -

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トシにゃんSS②

2012/02/15 (Wed) - 未選択


某所でまた変なスイッチ入ってやらかしてしまった見廻組×副長さん。
何となく三つ下のトシにゃんSS続きです。
温いですが凌辱注意。








「おや、まだ続いていたのですか」
 若いって素晴らしいですねぇと、佐々木はマジックミラーの向こう側を眺め、緩慢な口調で呟いた。
 四角く区切られたその視線の先では、先刻自ら連行した真選組の副長が、白い隊服を身に纏った自分の部下たちに『事情聴取』を受けている。
 途中会議が入ったので、尋問室を後にして数時間。流石にもう終わっているだろうと思っていた佐々木の予想とは裏腹に、どうやら未だ『尋問』は継続中のようだった。
 部下のやり方が温いのか、鬼副長殿の忍耐力が抜きんでているのか。もしくは。
『……ッ、あ、あぐっ……ひぎっ、あ……っ!』
『へっ、こいつ、ケツ叩いたらナカが締まりやがったぜ!随分手慣れてらっしゃるじゃねぇか、なぁ副長殿?』
『あの攘夷浪士にも、こんな風に抱かれてんだろう?野郎のチンポ突っ込まれてアンアン喘いで、ついでに幕府の裏事情も垂れ流しましたってか?』
 ほら、いい加減認めろよ、と、部下の一人がうつ伏せた土方の頭を踏みつける。ぐっ、と、押し殺した男の苦鳴が、スピーカー越しに佐々木のいる部屋にも届いた。
 土方は、先刻佐々木が引き抜いたスカーフで後ろ手に拘束され、黒い隊服の下衣だけを乱された屈辱的な姿勢で、背後から別の部下に貫かれている。
 三人の部下達は、もう何順『尋問』を行ったのか。遠目にもはっきり分かる下肢や床に飛び散った白濁、そしてスピーカー越しに聞こえる濡れた打撥音と掠れた低い男の喘ぎに、佐々木は辟易したように眉根を顰めた。
「……全く、エリートともあろう者が嘆かわしい。誰が玩具にしろと言いましたか」
 真選組副長があの男と裏で繋がり、何らかの不正を働いているということ。自分はそれを自白させろと命じたのであって、勤務中に凌辱して遊べと言ったわけではない。
 確かに性的拷問を命じたのは佐々木だが、今の部下達の様子は、すっかり逆上せ切り本来の目的を見失っている。これでは、尋問などではなくただの拙い言葉責めだ。
「あれでそこそこ、有能な部下達のはずなのですが」
 それを虜にするなんて魔性の男ですねぇ、土方さん、と。
 やはり場にそぐわぬ鷹揚な口調で一人納得するように頷く先では、そんな佐々木の存在に気付くことなく、尚も部下達がしとどに汗を滴せ、真選組の副長を嬲っている。
『おらっ!もっとキツく締めてみろや淫売野郎!』
『ヒッ、ギ……ア、アッ!アガッ……ぐ、あ、あああっ!』
『おい、こいつまた勃ってんぜ?突っ込まれただけで感じるとか、マジ有り得ねぇだろ』
 ぎゃはははは、と、まるでゴロツキのような品ない笑いが、スピーカー越しに木霊するのに、佐々木はますます眉根を顰めた。
 この尋問が終わったら、あの三人は首にしよう。欲に溺れて容易く箍を外す者など、この組織には必要ない。
「……ああ、それは貴方もですかね、土方さん」
 もう抵抗する力も残っていないのだろう。乱れた黒い隊服姿の男は、腰だけを上げた卑猥な姿勢のまま、言い様に男に揺さぶられ、唾棄と嘲笑を浴びせられている。
 だが、よくよく見てみれば、固く戒められ既に感覚もないはずの両手は、ここからでも手の甲の筋がくっきりと見えるほど、きつく握りしめられていた。
 そして汗と白濁に濡れて貼りついた黒髪の間から時折垣間見える黒曜の双眸は、未だ光を失っていない。
「ま、例え手足を切り落とされようと、『自白』なんてするはずないのですが」
 何しろ、土方が一度男との繋がりを認めれば、真選組そのものが潰されかねないのだ。
 死んでも吐きなどしないだろうし、そも自分は土方もあの男も『シロ』だということぐらい知っている。だから結局、部下がどうであれ、この尋問は成功しない。土方は耐え切り、あの白髪頭の男は無事釈放されるだろう。
 ただし、それと引き換えに、土方は他の男に散々嬲られた姿を、あの男に晒すことになる。
「こんな貴方の姿を見たら、愛しい彼はどうするのでしょうねぇ……」
 くつくつと、喉奥から自然に笑いが込み上げる。社会の底辺としか言いようがないあの男が、しかし土方にとって単なる気紛れ以上の存在だということは、この騒ぎが起こる前からとうに調べがついていた。
 男同士でくだらなくも心通わせ、『愛』などというものを交わす相手。
『なぁおい、そろそろ泣き叫ぶくれぇしてみろよ。あの野郎もすぐ近くにいるんだぜぇ?オンナらしく、助けでも求めてみちゃどうだ?あ?』
『……っれ、が……!あの、野郎は、関係、ねっ……ヒッア、ヒグッ!!』
 部下の揶揄に、土方は汗と白濁で濡れた額を床に擦りつけ、歯を食いしばってかぶりを振った。
 大切、なのだろう。真選組に咎が及ぶというだけでなく、あの男が。
 だが。
「―――…大事な存在だからこそ、手を伸ばすべきではないのですよ、我々は」
 自分自身にすら聞こえぬ程小さな声でそう呟き、佐々木は片眼鏡の奥の双眸をす、と眇めて、束の間己の右手を見つめた。
 この腕は、誰かを抱く為にあるものではない。幾重にも茨で覆われたこの手は、触れるもの全てを傷つける。だから、本当に愛しいのなら、大切だというのなら、決して手を伸ばしてはならないのだ。
 絹のように真っ直ぐ長い黒髪が、ほんの一瞬胸中をよぎって消える。緩やかな風に棚引き舞うそれに、触れることは決してない。だから。
「私と貴方は同じモノ……一人だけ抜け駆けはなしですよ、土方さん」
 貴方も早くあの男を手放して下さいね、と薄く笑い、佐々木はそれ以上の興味を失ったように、未だ凌辱の続く部屋を後にした。

 この茶番の『尋問』を打ち切り、そして―――…『無罪』となったあの男を、釈放するために。





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