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MEMOMEMO

短文散文とかうっかり萌えた別ジャンルとか管理人の電波とかをひっそりこっそり。

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2025/04/29 (Tue) -

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お中元的なチコ土(R18)

2011/07/19 (Tue) - 未選択

一年くらい前に色々滾ってうっかりやらかした幕臣×土方のチコン貝接待プレイです。
ファイル整理してたらボロッと出てきたので勢いで載せてみました。
らめぇぇ的男性向けエロを目指したのに中途半端なシリアスちっくになってすみません。
銀さんのフォローも何もない投げっぱなしエンドで十四郎がカワイソウなので、苦手な方はプリーズリターンお願いします。
凌辱でも暗くても温くてもいいよーという素敵なレディのみ、どうぞお召し上がり下さいませ。



「…っん、ふっ…ふぁっ……ん、んんうっ…!」
「ああほれ、どうされた十四郎殿。一向に食が進まぬようだが、お口に合いませんでしたかな?」
 それとも、余りに美味故味わっておられるのか、と蟇蛙のような笑みを浮かべ厭らしくのたまった醜い男を、出来るなら今すぐたたっ斬ってしまいたい。
 だが、刀どころか一糸すら纏わぬ今の姿と、そして己の立場では、その望みが決して叶わぬことを骨の髄まで思い知らされている土方が出来たのは、腹を掻っ捌きたくなるほどの恥辱に耐え、歯を食いしばることだけで。
 だが、顎に力を込めた瞬間、歯列に加わった硬い弾力とえづくようなその臭いに、自分には耐えることさえ許されないのかと、土方の左胸が軋みを上げた。

 真選組を質に、自分の躯を玩具のように扱う暇な幕臣達は、核となっている萩原以外にも、その子飼いが何人か存在する。
 幕臣だ何だと取り繕ってみたところで、所詮どいつもこいつも一皮剥けば単なる衆道趣味の変態連中に過ぎず、程度の差はあれ二年近くもそんな連中の欲の捌け口に使われていれば、大抵のことは耐えられるようになっていた。
 だが、土方を抱く連中の目的は、快楽を分かち合うことではなく、一方的に陵辱し恥辱に喘ぐ様を眺めることだ。
 そして、初めの頃のような本気の嫌悪を見せなくなった自分に、何人かの幕臣が不満げに眉を潜めていたのに気付かなかったわけではない。だからきっと、そう遠くない内に、また禄でもない目に遭わされるのだろうという覚悟はしていた。
 していたが、しかし。今日の男は、そんな土方の『覚悟』など容易く踏み潰すような、予想だにしない『余興』を用意していた。
 呼び出されたのは、吉原の一角に居を構える幕府御用達の高級料亭。
 一般人は言うに及ばず、ある一定の身分を持ってしても尚、一見は敷居を跨ぐことすら許されないという、大よそ商売の体を為していないその『料亭』が、何を目的に使われているかなど、赤子でも分かる自明の理だ。
 密約、商談、裏取引、そして―――…身分あるが故決して公には出来ない欲望を、何憚ることなく満たす場所。
 外観はどこを見ても完璧な日本家屋だが、最新の天人技術が施された各部屋は、一度障子を閉めてしまえば、どれだけ大声で騒ごうと喘ごうと泣き叫ぼうと、決して外に漏れることはない。そして、その閉ざされた空間では、何をしようが全て許容されるのだ。それはまさに『治外法権』と呼ぶに相応しかった。
 だから、こんなこともここでは何ら大したことではない。例え今、気まぐれにこの男が酒を所望し、使用人がそれを携えあの障子を引いて土方の姿を目の当たりにしても、声を上げるどころか眉根一つ動かさないだろう。
 そう、だから自分も、何も感じなければいい。恥などという概念、捨ててしまえばいい。
 人より多少よく回る頭がそう主張するのにも、しかし土方はどうしても、矜持という名の最後の一線を捨てられなかった。
「全く、武士は身体が資本というのに、貴殿はそんな貝一つ食しきれませんのかな?それとも、武士とは名ばかりで、夜な夜な我らに足を開く陰間にでも転職なされるか?」
 貴殿なら、さぞや引く手数多だろうと、豪奢な扇子を燻らせながら笑う男を、腹底から込み上げた怒りそのままに睨み付ける。だが、そんな土方のせめてもの抵抗にも、男は醜い肥満の腹を揺らし、愉しげに哂うばかりだった。
 無理もない。何故なら土方は今、ゆうに20畳はあるだろう和室の中心で全裸のまま獣の姿勢を強いられ、両手で大きな巻貝を掴み、そこから飛び出た卑猥な身を食まされているのだ。しかも、両手で貝を掴んでいるため自然高く突き上げざるを得ない臀部の割れ目には、赤子の腕程はあろうかという醜悪なバイブが深々と突き刺さり、鈍い機械音を上げながら土方の劣情を煽っている。
 こんな姿では、いかに鬼と揶揄される土方の眼光とて、相手の欲を掻き立てるものでしかないだろう。現に、袴すら着崩さず、豪華な膳の置かれた上座の前へ鷹揚に腰掛け酒を煽っている男の呼吸は、土方を見つめたまま僅かに上擦っている。もっと辱め甚振りたいが、しかし早く喰ってしまいたい。そんな欲求が透けて見えるようだった。
(下衆が……!)
 下っ端隊士なら、たった一つで一月分の給金が泡と消えるだろう高級な貝。蒸し焼きにしたソレを、四つん這いで綺麗に屠ってみせろ、そうすれば後ろの玩具は抜いてやる。それが今夜、男の提案した『余興』だった。
 萩原派の中でも、醜悪なばかりで品も頭も足りない、最も取るに足らない小物。それが土方のこの男に対する評価だったが、どうやら己の審美眼は確かだったらしいと、土方は男の一物に酷似したそれを銜えながら、腹の中で小さく笑った。他の幕臣ならばまだ、閨の中で真選組に有利な情報を引き出すことも可能だが、生憎この男相手にはそんな真似をしようとすら思わない。役に立つ情報も、法案一つ通す権力も持っていない愚案な男だ。
 折角の非番だったというのに、こんな男に気紛れに呼び出されるなど、全く持ってついていない。本当なら今頃、銀色の男と酒を酌み交わしているはずだったのに、と、脳裏を過った冬兎のような色彩に、一瞬想いを馳せた刹那。
 まるでそれを読み取ったかのように、体内へ埋められた玩具の動きが、突如変わった。
「ひああっ!?あ、ああっ…!ぐぅ、んっ…んん―――ッ!!」
 腸内をかき回すようにうねる度、男根を模したそれの表面につけられた無数の疣が容赦なく前立腺を擦り上げ刺激する。
 身の内から溢れ出す、制御の利かないその快感に、危うく気をやりかけてしまうのを、土方は気力だけで押さえ込んだ。足の指が畳に食い込み、ザリ、と伊草の擦れる音が響く。しなやかな筋肉のついた、雌豹のような白い背を逸らし身を捩らせるその様に、眼前の男が一層笑みを深くした。
 その掌に収まっているのは、遠隔式の小さなリモコン。
 普段取り澄ました顔をしている土方を、自分の指先一つで喘ぎ乱せるのが愉しくて堪らないのだろう。男の気紛れそのままに体内で卑猥な玩具が動きを変える度、土方は必死に嬌声を押し殺し耐えた。
 この下らない余興が始まってから、既に三十分近く。戒められているわけでもない自身は、己の感情を裏切り、腹につく程そそり立っている。先走りで下腹部をしとどに濡らしたそれが、溜まった欲を吐き出したいと訴えるのを、土方は太腿を小刻みに震わせながらどうにか抑え付けていた。
 これまでの経験上、先に達すれば達する程、後の行為が辛くなるし、何よりこんな玩具で絶頂を迎えれば、目の前の男にどんな揶揄をされるか想像に難くない。
 こんな辱めを受けて尚、捨てられない矜持は、そんな恥を容易に晒すことを許さなかった。例え、その矜持こそが、陵辱者を一層煽るのだと理解していても。
「ほれ、どうされた十四郎殿。遠慮されずともよいのですぞ?まぁ、余りの美味故長く味わいたいというなら、止めはしませぬが」
 しかしメインディッシュも残っているのだから、余り待たせないで頂きたいと下卑た笑声を上げる男を、もう一度腹の奥で下衆野郎と罵倒した。
 土方とて、食えるものならとっくに食っている。だが、塩茹でにされた、土方自身のモノより一回りも太いそれは、身がゴムのように引き締まっているせいで、文字通りまるで歯が立たないのだ。本来、このように貝をつけたまま丸ごと食べるものではないのだろう。
 そして何より、噛み切ろうとする度鼻を突く、生臭い饐えた臭いと、先端から滲み出る貝の体液らしい粘液が酷く気持ち悪くて、比喩でなく吐き気を催しそうになる。こんなものを有難がって食う人間がいるなど、土方には到底信じられなかった。
「ん、ふぅっ…うう、むっ……ん、んんんっ…!」 
 ずっと食み続けたせいで、顎に力が入らず、口の端から漏れた唾液が顎を伝って畳へ滴り落ちてゆく。このまま続けたところで、これを食い千切り嚥下できるとは到底思えない。擬似口淫を続けさせられた顎も、そして逐情を堪え続けた躯も、とうに限界だった。
「あ、もっ…もう…!」
「おや、どうしても食べられそうにありませんかな?」
「は、いっ…!どうか、お許し、をっ…」
こんな小物に媚びを売る屈辱に、知らず畳へ食い込むほど爪を立てる。
だが、このまま執拗に嬲られ続け一人イカされるよりは、男の劣情を煽り同じところまで落とした方がまだマシだった。
同じ雄の躯に欲情し、理性という仮面など投げ捨てて腰を振る、その醜悪な姿を眺めていれば、まだ矜持を保つことが出来る。自分はこんなくだらない連中に屈したりしないと、言い聞かせることが出来る。
だから、こんなことは何でもない。これは矜持を売り払うのではなく、守る為の行為なのだと己に言い聞かせ、土方はことさら情欲に濡れた眼差しで男を見上げた。
そうすれば、大抵の相手が耐えきれず手を伸ばすことを知っている。そんな知識がつくほどには、この行為にももう慣れた。
早く、早く終わってしまえ。こんな意味のない行為。
明日は折角の非番なのだ。早く帰って、流石にもう今夜はあの男とは会えないから、私邸でゆっくり昼まで眠って。そうして目が覚めたら、着流しを羽織って、あの街をゆるりと歩いてみようか。
 そうしたら、冬兎のようなあの男に会えるだろうか。会って、約束を流した詫びだと言って、団子の一つでも奢って、どうでもいい他愛のない話をしながら、甘味屋の軒先で時間を潰して。
 そんな、何でもない代わり映えない日常に、ほんの束の間でも戻れるだろうかと胸中で自問したとき、
「ふ、あっ…!?」
 ふいに響いた衣擦れの音と共に、体内を蹂躙していた玩具の動きがピタリと止まり、眼前の幕臣が立ち上がる。
 だが、ようやく事を始めるのかと僅かに安堵した土方の期待を裏切るように、土方へと近づきながら男は告げた。その口元に、嗜虐と悪意を滴らせた男は、右手に何かを掴んでいるようだったが、土方の位置からはそれが何か窺い知ることは出来なくて。
「では、下の口には合いますかな?」
「―――…え?っひ、あああああっ!?」
 一瞬、何を言われたのか分からなかった。
 そして、どういう意味だと問い返そうとした瞬間、臀部から生えた玩具を何の躊躇いもなく一気に引き抜かれ、硬い突起に内壁を擦られるすさまじい快感に、土方は思わず背を逸らし、甲高い悲鳴を上げていた。
 爪先から頭頂までをビリビリとした電流が疾走り抜け、白い四肢が畳の上で痙攣する。塞ぐもののなくなった後孔が、何かを強請るように収縮するのが自分でもはっきり分かって、熱のせいだけでなくかっと顔に血が上った。
 ああもう嫌だ。こんなのは嫌だ。早く、早く突っ込んで、滅茶苦茶にして、終わらせてくれ。早く、早く、早く、あいつに―――…
 だが、陵辱を待ち詫びるように高く掲げられ、小刻みに震える臀部に次に与えられたのは、醜くそそり立った男の一物、ではなく、氷のように冷たい、ぬちゃりとした感触だった。
「ヒッ!?」
 双丘の割れ目、尾てい骨辺りに這わされた、予想だにしないその不快な感触に、まさかまた妙な玩具でも使われるのかと、肩を跳ねさせ思わず振り返る。
 しかしそこで目にしたのは、そんな土方の予想を更に裏切るものだった。
「…っあ、あ……な、なにっ…を…されっ……!?」
 問い質す己の声が、みっともなく上擦り震えているのが、自分でも分かる。
 何故なら、振り返った視界の端に僅かに映り込んだのは、たった今まで自分が必死に咥えていた忌々しいソレと、ほとんど同じ形状をした巻貝で。
 違う点と言えば、棘の生えた貝の色が、茹でられたそれとは違い明らかに濃いことと、たった今まで氷にでも漬けられていたかのように冷たいこと、そして。
 肌に張り付いた身の部分が、僅かながら蠢いていることだった。
 まさか、という思いが、土方の脳裏を駆け抜ける。
 そういえば確かに、幕臣の前に用意された豪華な膳には、活け造りを盛った大皿があった。ここへ呼ばれてすぐこの余興を演じさせられたため、中身など当然見ていないが、おそらくこれはその中に盛られてあったものなのだろう。
 ということは、つまり。
 ざ、と血の気が引いてゆく顔を、男がその細い顎を片手で掴み無理矢理仰向かせる。
 間近で見れば一層醜悪さを増す、ニタリと歪んだ蟇蛙のようなその表情に、土方は己の予感が当たったことを、悟った。
「気がつきましたかな、十四郎殿?そう、今貴殿の躯に這わせたのは、生きた貝。予め加工品として輸入されるそれの十倍は下らない、正に珍味中の珍味ですよ」
 これなら、貴殿の口にも合うかもしれませんな、と男が嘯くと同時に、冷たい器の中で萎縮していた貝が、人肌の熱に誘われたかのように、じわじわとその動きを増してゆく。
 敏感な腰の中心をやわやわと揉まれるようなえもいわれぬ感触が気持ち悪くて、ゾクゾクとした悪寒が止まらない。
「あ、あっ…!いや、嫌だっ、やめっ…こ、この、ような、お戯れ、はっ…ヒィッ…ィッ…!」
 玩具のように激しく苛まれるわけでも、焼き鏝や鞭のように痛みを与えられるわけでもない。
 だが、生きたソレが肌の上で蠢く様は、土方の中に耐え切れないほどの嫌悪感を齎した。しかもこれは、地球外生物なのだ。本能的な拒絶感に、肌が粟立つのを止められない。
 だが、権力という名の鎖に捕らわれ、指一本の抵抗すら許されない土方が、込み上げるそれらを必死に押さえ込んでいる間にも、貝はズル、ズル、と少しずつ、だが確実に、双丘の割れ目を這うように移動して。
「ああ、そろそろこやつもまともに動き出しましたな。何でもこの貝は、本来温かい海で生息しておるらしく、熱を感じると活発に動くのだそうですよ。それとあと、もう一つ」
 狭く暗い場所へと、身を潜らせる妙な習性があるらしい、と、愉快そうに男が告げたとき、まるでそれに応えるように、触手のような貝本体の先端が、バイブによって十分に蕩けさせられた菊孔へ、グプリとめり込んだ。
「ヒ、アァアッ!あ、あっ……いや、あっ!…は、はい、って…く…ぅ、うあっ…がっ…!!」
 ズル、ズル、と、いっそじれったい程の動きで、ゆっくりと貝が内部を押し広げ侵入してくる度、内臓が押し上げられる感触に、抑え切れない苦鳴が薄い唇から上がる。だがそれには、苦痛だけでない嬌声が確かに交じり合っていて。
「あ、ああっ…い、やっ…嫌だ!いや、あああっ…抜、いてっ…抜いて、下さっ…ヒゥッ!?」
 生殖の為ではなく、単なる生存本能によって蠢いているだけの生物。そんなものに感じているのだという事実をまざまざと突き付けられ、必死に抱えていた矜持にゆっくりとヒビが入ってゆく。
 嫌だ、嫌だ、こんなのは、嫌だ。雄の男根でも、感じさせることを目的として作られた玩具でもない、こんなものを身の内に受け入れ悦ぶ浅ましい躯。これが自分だなどと、認めたくない。
 だが、そんな土方の訴えに、男が耳を貸すはずもなく。どころか、顎を掴む指に更に力を加え、喘ぎを噛み殺すことすら許さなかった。
 そしてとうとう、貝は先刻のバイブより更に深い躯の奥まで侵り込み、そこで一旦動きを止めて。
 次の瞬間、入り込んだ貝の表面全てが、吸盤のように土方の内部へと吸い付いた。
「ヒィアアアアアアアアアアッ!!」
 過敏になった前立腺は元より、既に性感帯と化していた腸壁全体を、内側から痛いほど締め付けられる。土方の許容量を遥かに超えた苦痛に近いその刺激に、既に限界が近かった躯は、ついに耐え切れず、陥落した。
 全身の筋肉を硬直させ、数度大きく痙攣した土方の自身から、欲の証である白濁が勢いよく吐き出され、パタパタと場違いに軽い音を立て、畳を汚す。
 その瞬間、土方の中で堪えていた何かが、ふつりと切れた気がした。
「……ふ、どうやらこちらはお口にあったようですな。そんなにも喜んで食して頂ければ、私も骨を折った甲斐があるというもの。どうぞ存分に味わって下さいませ。その間、私はこちらの口で愉しませて頂くと致しますか」
「ンウッ…!?ウ、グッ…ン、ンンン――――ッ!」」
 味比べといきましょうと嘲笑った男が、袴を緩め取り出した一物を、薄く開かれていた土方の口唇へ強引に突き入れた。
 土方が達した後も、貝は吸引を緩めることなく蠢き続け、敏感な身体を更に追い詰めている。だが、喉元まで込み上げた悲鳴は、土方の頭を掴み好き勝手に注挿を始めた男の自身に押し潰され、空しく空気を奮わせるばかりで。
「は、あっ…ヒゥッ、グッ…ング…ンンッ!!ン、ンンンンッ!!」
 耐え難い嫌悪と過ぎた快楽、そして酸欠に耐え切れず瞳を閉じれば、瞼の裏に浮かび上がるのは、銀色の髪をしたあの男。
 どうしてあいつの姿が、こんなときにちらつくのか分からない。ただの気紛れで身体を重ねただけの男だ。こんな躯を、壊れ物のように優しく抱く、ただそれだけの酔狂で馬鹿な男だ。
 なのにどうして、こんなにも胸が痛い。どうしてこんな、ただの暴力でしかない行為に、こんなにも苦しくなっている。
 こんな風ではなかったはずなのに。自分はもっともっと強かったはずなのに。なのにどうして。
「―――…おや、泣いておられるのですかな十四郎殿。滅多なことでは見られぬと我らの間でも評判の貴殿の涙を拝見出来るとは光栄だ。もっともっと、その美しい涙を見せて下され」
 なのに、どうして。

 瞼の裏の残像が消えてゆく。世界が、暗闇に染まってゆく。手を伸ばしたくても、自分には掴めるものなど何もなくて、この汚泥から抜け出す術が見つからなくて。
 
 夜はまだ、明けそうになかった。


-------------------------

別段後悔も反省もしていない。でも謝る心は時に大切だと思う。
ほんとすみませんでした。
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COMMENTS

(≧▽≦)

こんにちは、さかなさま。

チコ土、去年の夏、鼻血を吹きこぼしながら倒れそうになったことを思いだしました。

そして、今年もまた鼻血が出ました。

もうホントに、いぢめられている十四郎さんはなんでこんなにかわいいのでしょう。

ご馳走さまでした。
合掌。

それから、さかなさまの新刊も全裸待機いたしております。

「愛してるとか……」は私も大好きでしたので、その完全版、今から待ちきれませぬ。はあはあ。

さて、このつまらないメールにお返事などのお気遣いは不要です。

冒頭のメールアドレスは本物ですが、それは単に、私が怪しい者ではないという(いや、このメールの内容は怪しいですが)証明のためですので。

いつも私に萌を分け与えてくださってありがとうございます。

ずっと応援しています。

かしこ

by みあ | 2011.07.19 (Tue) 19:24 | EDIT | RES

初めてコメントします

さかな様の描く苛められてるトシはめちゃくちゃ大好物で、かわいそうなのにかっこよくてかっわいくて見るの大好きですがこの話拝見してから『ぶるうすかい』読むと何かめちゃくちゃ救われた気分になります。トシ良かったねって感じで涙が出そうになります。携帯サイトじゃなくなっても応援してます。新刊も今日家に届いて一気に読みました、さかな様のお話大好きです。
いきなり失礼致しました。
by ゆき | 2011.09.04 (Sun) 22:48 | EDIT | RES

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