MEMOMEMO短文散文とかうっかり萌えた別ジャンルとか管理人の電波とかをひっそりこっそり。 [PR]× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 トシにゃんSS本誌37号読んで萌え滾ってどうしようもなくなって書いた見廻組×トシにゃんSS。
完全捏造なので賞味期限は次号まで。 激しくツッコミどころ満載ですが書きたかったので許して下さい。 「さて、困りましたねぇ」 どうしましょうか、と、銀鎖のかかった片眼鏡の奥ですう、と双鉾を眇めた男に、土方はギ、と歯噛みした。 いかにもエリート然とした鷹揚な口調からは、些かの焦りも感じられない。どころか、この状況を心から楽しんでいるようで。 「公務執行妨害で捕らえた、万事屋などというあの男、調べてみればまあ随分と怪しげな噂に事欠かないようで……。さても、何故このような人間が今まで網に掛からなかったのか、疑問に思われませんか?トシにゃん」 「……ふざけた呼び方してんじゃねぇ。人をこんなとこに呼びつけた挙げ句、何が言いてぇんだ、友達いねぇ見廻組の局長さんよ」 言いがかりに 近いとはいえ、銀時が正式に『逮捕』された翌日、土方は見廻組局長佐々木異三郎に内々に呼び出されていた。 明らかに不穏なものしか感じなかったが、坂田銀時のことで確認したいことがあると言われてしまえば、真選組副長としても、そして土方十四郎としても断ることは出来ず。 だが、いざ訪れてみれば、通された先は客人を招く応接室ではなく、狭く簡素な取調室の、おそらく普段は容疑人が座らされるのだろう錆びたパイプ椅子だった。 これではまるで、自分が罪人のようではないか。そう思った土方の内心を読んだかのように、佐々木が笑う。 「では単刀直入に伺いましょう。貴方はあの男の罪状を、握り潰しているのではありませんか?ねぇ――――…元攘夷浪士の男に足を開いてよがる、真選組副長殿?」 「ッ!?」 声は、上げなかった。 目も、見開かなかった。 ただその瞬間、腰掛けたパイプ椅子が僅かに軋み、くわえていた煙草の灰が落ちた。それだけだった。 だが、名門の幕臣と名高い『優等生』の男には、それだけで十分だった。 男の瞳が、片眼鏡の奥ですう、と細まり、数秒の沈黙が落ちる。 「……残念ですねぇ、土方さん。私、本当に貴方方の……というか、貴方のファンだったんですが」 ふう、と 約一つ嘆息し、軽く首を振った男が、すい、と手を伸ばす。女のような長い指が、土方の咥えていた煙草を優雅な動作で抜き取って。 次の瞬間、膝に置いていた右手を凄まじい力で掴まれ机の上に叩きつけられたかと思うと、その手の甲に勢いよく煙草が押し付けられた。 「グアアッ!?」 高温の火種によってジュッと肉が 焼ける嫌な音と臭い、そして一瞬遅れて疾走った激痛に、土方はたまらず声を上げ男の手を振り払おうとした。だが、この細身の腕のどこにそんな力があるのか、手首を押さえつける男の指は鉄輪のように動かない。 男は、そんな土方の苦悶を愉しむように口の端を釣り上げ、まるで灰皿のように尚も土方の手に 焼けた煙草を押し付け、揉み消した。 「アッ、グ……ッ!テ、メッ……ぐあっ!」 机に立てた爪が、ギギ、と怖気を誘う耳障りな音を立てる。その場から立ち上がることすら出来ず、射殺さんばかりに顔を上げ睨みつけた先にあったのは、片眼鏡越しに此方を見下ろす男の、侮蔑と嘲笑、そして暗い愉悦を含んだ、爬虫類を思わせる冷たい眼差しだった。 「さて、取り調べを始めましょうか。ゴミに等しい身の程を弁えず、我等と肩を並べようとした『バラガキ』の副長殿?」 貴方は尋問しがいがありそうだと笑った男が、煙草を床に捨てると同時に、背後の扉が開かれ、いくつもの足音が近づく音がする。 「ッ!?」 男に手首を掴まれたまま、首をめぐらせれば、そこにいたのは白い隊服を着込んだ数人の平隊士達で。それが、『尋問』とやらの為に呼ばれたのだと気付いた瞬間、カッと腹腔の奥が熱く染まった。 「っざけんな!!」 男の拘束が緩んだ瞬間、土方は吼えるような罵声と共に、バネ仕掛けの人形を思わせる動きで椅子から立ち上がり、男の胸倉を掴む。だが、その顔面へ拳を叩き込もうとした腕は、その寸前で背後から拘束され、引き剥がされた。 「ガッ!?」 同時に伸びてきた何本もの腕が、土方の首や胴へ捲きつき、有無を言わさず背後へ引き摺られる。 容赦ないその腕力に、胸倉を掴んでいた指が離れれば、途端その腕も背後から戒められた。 「っは、なしやがれ下っ端共!ぶっ殺されてぇか!!」 いかに膂力があるとはいえ、両腕と胴を三人の男たちに羽交い絞められては、流石に振り解けない。骨が軋むような鈍い痛みと、他人に無遠慮に触れられるどうしようもない不快感、そして自由を奪われる怒りに声を荒げるも、その拘束は万力のようにビクリとも緩まない。 そんな土方の様子に、乱された胸元を悠然と直しながら男が笑った。 「無駄ですよ、副長さん。生憎ここでは『鬼の副長』の威厳など通用しません。我々見廻組は、全て由緒正しき武士の子息。平隊士といえども、有力な幕臣の血縁者ですからね。下賎な農民出の男の恫喝など、何の意味もありません」 口の端を吊り上げた男が、く、と土方の頤を掴み、仰向かせる。 他人を見下すことに慣れきった色のない瞳を、土方は射殺さんばかりにねめつけた。 「……っは、要するに全員親の七光りの上に胡坐かいてるお坊ちゃん、ってわけか?いつまで経ってもおんぶに抱っこ、てめぇの足じゃ一歩たりとも歩けやしねぇ能無しの集まりじゃねぇか」 「家柄と伝統、と言っていただきたいですね。優秀な遺伝子を次代に繋ぎ、他の劣等遺伝子を正しく守り導いてゆく。我々はそうやって、幕府開闢以来数百年、この国を守ってきたのですよ。それは開国した今とて変わりません。貴方がたのような―――…そう、『馬の骨』とは、背負ってきたものの重みが、ッ……」 男の言葉を遮るように、土方はその頬へ向け唾を吐きつけた。 ビチャ、と音を立て、透明なそれが男の頬に張り付くのに、刹那背後から殺気が沸きあがり、腕を戒める力が更に強くなる。肩の関節に疾走った鈍い痛みに目元を歪めながらも、土方はは、と犬歯を剥き出し、嘲笑した。 「悪ィな、何分学がねぇもんで、小難しい話は眠くなるんだ。ついでに、お偉いエリート集団と違って、ウチは万年人手不足でな。俺も早々ヒマじゃねぇ。尋問とやらをしてぇなら、さっさと済ませてくれねぇか?」 挑発するように言葉を吐き捨てる裏で、土方は脳を回転させ、状況を分析した。 落ち着け、焦るな、冷静になれ。 この男が、自分と銀時の関係をどこまで掴んでいるのかは分からない。 だが、少なくとも坂田銀時が元攘夷志士であること、そして江戸において様々な事件に関わってきたことの物的証拠は何もないはずだ。 握り潰したわけではない。ただ、土方自身も幾度となく監察に探らせ、そして事実決定的なことは何も掴めなかったのだ。 もしかしたら、この男は銀時の過去に勘付いているのかもしれない。だがそれも、たとえ戸籍を洗おうと何も出てこないのは土方が誰よりよく知っている。 つまり、『元攘夷浪士』という部分に関して、男の言葉はハッタリだ。そして、自分がそれに乗せられさえしなければ、一般人の男と自分がどういう関係だろうが、嘲笑の対象にされこそすれ罪に問われることなど有り得ない。 ファンだなどと言ってはいるが、見廻組が日頃から自分達を疎ましく思っていることなど百も承知。鉄之助の件でこれ幸いと因縁をつける切欠を見つけたのだろうが、そんなくだらない『尋問』など笑ってやり過ごし、堂々と去ればいい。 多少手荒な真似はされるだろうが、幸いこちらは多少の傷みには慣れている。お上品な幕臣ご子息の手ぬるい尋問などに音を上げる程ヤワではない。 片眼鏡越しの男の瞳が、すう、と眇められ、その右手が上げられる。まずは殴られるかと、唇を切らぬようぐ、と奥歯を噛み締めて。 だが、骨ばった長い指は土方の頬を打つではなく、その首元からスルリと白いスカーフを引き抜った。 「ッ!?」 絹のそれが首筋を滑る感触に、ゾクリと肌が粟立ち、怖気が疾走る。思わず目を見開いた土方の視線の先で、男は抜き取ったスカーフで頬を拭うと、それを床へと落として靴底でぐしゃりと踏みつけて。 そして次の瞬間、露になった襟元へ再び手をかけ、それを一気に下へと引き下ろした。 「なっ……!?」 布が裂け、ボタンの弾け飛ぶ固い音が狭い取調室に反響する。シャツとベストの前部分を完全に引き裂かれ、露になった白い胸元に、ひやりとした外気と男の眼差しが絡みつく。 刹那、土方の脳裏に、ざわりとした嫌なものが込み上げた。 まさか、とは思う。だが―――… 「ご期待に添えなくて申し訳ありませんが、貴方相手にその辺りの罪人と同じような生温い尋問など致しませんよ。貴方のような強靭な精神の持ち主には、肉体よりその内面を打ち崩す方が覿面だ」 例えば、と笑った男が、人差し指で土方の身体の中心をつう、と撫でる。擽るようなその感触に、ビクリと肩が跳ね、全身が嫌悪感で総毛立った。 「これから、背後の男達にその隊服を剥ぎ取られ、陵辱される、というのは如何です?」 「ッ!ぐあっ!?」 土方の肌から手を離した男がパチン、と指を鳴らした瞬間、凄まじい力で背中から床へと引き倒され、両腕を頭上で押さえつけられる。 背と後頭部を強かに打ちつけ、一瞬ぐらりと視界が揺らぐが、その痛みにも構わず土方は身を捩らせた。 冗談じゃない。 冗談―――…では、ない。 「っや、め……!やめろ!!こんな尋問は、明らかに違法だろう!これで何も出て来なけりゃ、てめぇらっ……!!」 「訴える、とでも仰るつもりですか?真選組の副長殿が、同志である我々に嫌疑をかけられ強姦されたと?」 床に磔られた土方を見下ろし、男が笑う。そんなことは出来ないでしょう、と。 「まぁ、確かに物的証拠はありません。貴方が最後まで自白しなければ、あの男の容疑も、貴方の隠蔽疑惑もシロだと認めましょう。そのときは、すぐにあの男を釈放し、貴方に引き渡して差し上げますよ」 最もそのとき、貴方がどんな状態かは分かりませんがね、と嘲笑する男の言葉に、土方は今度こそ四肢を硬直させ、目を見開いた。 銀時が攘夷浪士だと『自白』すれば、銀時はテロリストとして捕縛され、真選組にも国家反逆罪の咎が及び、『自白』しなければ証拠無しとして釈放される。そんな条件で、何をされようと土方が口を割るはずがない。 だが、無実となれば、銀時に見られる。他の男に陵辱された姿を、あの男の眼前に晒される。 「……や……いや、だ……やめ……」 その光景を想像した瞬間、自分でも驚く程ざ、と全身から血の気が引き、えもいわれぬ恐怖心が腹底から込み上げた。 と同時に、唐突に理解する。この男は、本気で銀時を攘夷浪士として捕らえたいわけでも、自分を失脚させ真選組を窮地に追いやりたいわけでもない。 ただ、自分を甚振り、遊びたいだけなのだ。猫が、捕らえた鼠を敢えて殺さず弄ぶように。 何故。どうしてそんな真似をする必要がある。そんなことをして、この男に一体何の益がある。何故。 「言ったでしょう?私は貴方のファンなんです。ですから―――…」 ただ、貴方のその美しい顔が恥辱と苦悩に歪む様を見てみたいだけなのですよ、と。 土方の内心を読んだかのように告げた男の歪んだ睦言が、地獄の始まる合図となった。 ------------------- ありがとう佐々木さん!そしてありがとう!! PR COMMENTSきゃー!!続きが読みたすぎます~!!笑
松柳さんやっぱ凄いです…!! こーゆぅの好きです!!続きがすごい気になります!!ジャンプ売り切れだったので明日探してみよう…
かわいいトシにゃんをありがとう松柳さん!そしてありがとう!
こういうものはいいところで終ってしまうものなのですね…
妄想働かせます。有難うございました!間に合って良かったです… 佐々木さんGJ(^O^)読ませていただきました!
先週から色々ともう、心臓に負担がかかるような展開ばかりで…(^q^) 今週のジャンプはまだ読まれたか分からないので内容は伏せますが、私死ぬんじゃないかってほど大変な展開でした。 おいしい設定ばかりで涎がとまりません← 今夜は全国のトシにゃん好きの書き手さんがレッツパーリィで妄想を吐き出してくれるに違いない…! と思うと興奮が収まりません(^□^) 携帯サイトの方が閉鎖とのことで、私はいつも携帯から見ていたので残念です。 今度はパソコンから来ますね! これからも頑張ってください(^^) 無題にゃんにゃーん//// 携帯サイト閉鎖と聞いて残念です(涙) いつもさかなさんの小説見させていただきました ![]() 実は初めて見た銀土小説がこの徒然家だったんです!!!これがちです longの幕土←銀を読んで、あんまり長編とか読もうと思わなかった自分だったんですが、読むにつれて土方と銀さんの切ない話にもっともっと読みたいって思ったのを覚えています。 記憶喪失で銀さんのことを忘れてしまった土方に何も責めずに病院をでていった銀さんのひどく土方想いの銀さんをまだ覚えています。 その記憶喪失の話は泣いてしまいました(笑) でもそれで銀土が大大大大大好きになりました!!! さかなさん今までの萌えをありがとう!!!!! これからも銀土大好きで生きていきます ![]() お仕事頑張ってください(^∀^)!!!! COMMENT FORM TRACKBACKSTRACKBACK URL |
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